3月の紫陽花管理:芽出しを助ける液肥の選び方&水管理を冬から春へ切り替える3つのポイント

 


二月も終盤に入り気温が安定してきました。

もうじき本格的な春がやって来ますね。我が家でもホンアジサイの冬芽が早くも緑色に変わりつつあります。あと2週間もすれば芽吹きそうな感じですね。

爽やかな新緑は気持ちを軽やかにしてくれますが、安心するのはまだ早いです。引き続きしっかりお世話してあげることが、美しい花を咲かせるという集大成へ繋がっています。

というわけで、今回は少し先取りして、紫陽花が芽吹いてから蕾が上がるまでの管理のコツをお伝えします。



目次


芽出し肥を与えよう


芽出し肥(めだしごえ)とは

芽出し肥とは、休眠から目覚めたばかりの紫陽花に「今から成長するぞ!」というスイッチを入れるための追肥のことです。 2月に行った寒肥(かんごえ)は、春以降にじっくり効かせるための「土壌作り」でしたが、今回の芽出し肥は新芽を力強く押し出すための「即効性」が求められます。

 ※まだ寒肥が終わっていない方は、まずはこちら2月の必須作業(リンク)も参考にしてみてくださいね。


芽出し肥は液肥が最適な理由

先述した通り、芽出し肥には即効性のあるものが適しています。肥料の形態で最も素早く吸収できるのは液肥です。中でもリン酸が多めに配合されているものをおすすめします。


花色を左右する「最後のチャンス」

ご存知の通り、リン酸は花付きをよくする働きを持っており、花木類の紫陽花には必須の栄養素です。この時期はリン酸が多めの肥料を与えても花色に影響しにくい最後のチャンスです。


おすすめの液肥

私は住友化学園芸「花工場」を使っています。リン酸の含有量はハイポネックスより劣りますが、各種微量要素とビタミンが配合されており、総合的に見てバランスが良い印象を受けます。

正直言って、使用上両者に大きな違いはありませんが、私はこちらの方が好きです。若干ですがお財布にも優しいです。


【重要】慣れてきた時こそ「計量」を厳格に 

液肥の取り扱いで最も注意すべきは、希釈倍率です。 栽培に慣れてくると「だいたいこれくらい」と目分量でやりがちですが、これが一番の失敗の元。寝起きでまだデリケートな根に、うっかり濃すぎる肥料をかけてしまうと、根焼けを起こして一気に株が弱ってしまいます。

「迷ったら規定より少し薄めに」

濃すぎて枯らすことはありますが、薄すぎて悪いことは何もありません。計量を徹底するだけで、失敗のリスクはグッと下がります。


計量の手間をラクにする小技

──とはいえ、個人の鉢栽培規模だと一度に使う液肥の量はごくわずか。市販のボトルキャップでは数ミリ単位の計量が難しく、計量は正直億劫です。

私が実際に行っているやり方として、美容液が入っていた「スポイト型の空き瓶」に少量を移し替えて使っています。これなら一滴単位で微調整ができるので、たった一鉢分の液肥を作りたい時でも正確に希釈できます。

ただし別容器への移し替えには、衛生面による品質劣化のリスクが伴います。以下の3点を必ず守ってください。


冷暗所保管: 変質を防ぐため、直射日光を避けて保管すること。

少量ずつ: 移し替える量は最大でも100ml以下に留めること。

早めに使い切る: 移した分は半年以内には使い切るようにしましょう。



実践編


※3月に入り、実際に作業を行った写真を交えて詳しくレポートを追記します。



枯れ枝剪定と「生きているライン」の見極め


芽吹いている株をよくよく観察すると、全く変化がない枝が紛れていることがよくあります。これは冬の水切れや霜、寒風に耐えられなかったことで発生する枯れこみです。

ちなみに私の環境下は軒下であり、寒風もある程度防げ、太平洋側で問題なく生育する在来種ばかりですので、枯れ枝が出たとすれば単に冬の管理不行き届きによる水切れのせいです(笑)。

反省は次に活かすとして、今回は枯れてしまった枝を取り除く作業をしていきます。


なぜ枯れ枝を取り除くのか?

「放っておけばそのうち自然に落ちるのでは?」と思うかもしれませんが、いつまでも枯れ枝を残しておくと株の風通しが悪くなり、病害虫の格好の隠れ家になってしまいます。


「どこまで切るか」の見極め方

枯れている枝は根元から切ってしまって問題ありません。どこまで枯れているかわからない場合は、一節単位で少しずつ切り下げていきます。


  1. まずは節の少し上でカットしてみる。
  2. 断面を確認し、茶色く乾いていればもう一節下へ。
  3. 断面が鮮やかな緑色の場所に当たったら、そこが「生きているライン」です。剪定はそこで打ち止めにしましょう。



水やりの感覚を冬から春へ更新する


春の訪れとともに、水やりのルーティンも変化を求められます。

私の環境は日当たりの良い南向きのベランダです。冬の間(休眠期)の水やりは、「土の表面が乾いてから、さらに3〜7日後」を基本にしています。葉がない休眠期は蒸散が行われず、植物は水をほとんど必要としません。根を乾かさない程度にほんのり湿り気を保つのが理想です。

もう一つの理由として、気温の低い冬は表面が乾いた程度では土の中はまだしっかり湿っている、ということが挙げられます。鉢の中は地植えと違って地温の恩恵がありません。土の中の水分が多いほど外気の影響を受け冷え込み、凍結により根を痛める原因になります。

⋯⋯しかしそれは蒸散する葉が一枚もない時の話。これからの季節は、今までの考えを更新しなければなりません。


春の日差しと水やりの頻度

新芽が展開し始めると、植物は一気に水を吸い上げ、葉から水分を放出し始めます。 土の表面が乾いた時点で速やかに水を与えなければ、強まり始めた春の日差しに晒された紫陽花は、あっという間に萎れてしまうでしょう。冬の「数日待ち」の感覚でいると、せっかくの花芽を台無しにしかねません。観察こそが最大のケアです。

とはいえ、焦りは禁物です。乾きが早くなるからといって、表面がまだ湿っているうちに毎日ジャブジャブと水を与えれば、待っているのは根腐れだけです。

冬ほど放置せず、夏ほど過保護にしない。

せっかく一年間大切に育ててきた紫陽花です。今までの苦労を不意にしないためにも、土の表面を指先で掘ってみたり、鉢を持ち上げてみるなどし、その微妙な変化を毎日しっかりと観察してあげましょう。


補足:春の日光の重要性

水やりと併せて意識したいのが、いかに日光に当てるかです。 春先に蕾が上がるまでにしっかりと日に当てておくと、梅雨時の花の発色が良くなったり、ガク咲き個体であれば装飾花(周りの大きな花びらのような部分)の数が増えるといった効果が期待できます。

また、夏ほど日差しがキツくない今の時期から日光に慣らしておくことで、6月以降の厳しい直射日光に対しても、ある程度の耐性を持たせることができます。



まとめ:開花を待つ楽しみ


春が訪れたら、紫陽花の花盛りの季節はすぐそこです。胸を躍らせつつお世話に励みましょう。

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